2020年の10月、私が大学3年生の時、脊柱側弯症(せきちゅうそくわんしょう)の手術をした。
コロナ禍真っ只中の孤独な入院生活で、人生でつらかった経験のワースト2かもと思っている。
私はかなりの小心者で痛みに弱い人間なので、あまり参考にならないかもしれないけど、備忘録的な役割をメインに書いていく。
多分長いから、手術の事だけ見たい人は飛ばし飛ばしで見てね。
www.saiseikai.or.jp
側弯症って何ぞという人は、上のリンク見たらだいたいわかると思います。
私は腰椎が湾曲しているタイプだった。
側弯症を指摘されてから手術までの流れ
中学生の頃に、首の痛みで整形外科を受診
→首は異常なし、それよりも軽度の側弯症なのでは?と医者に指摘される
→痛みがないなら様子見でいいと言われてそのまま放置
→自分自身も痛みは特に感じなかったため、ここから大学3年生まで放置
手術前は腰のくびれが右側だけ異常にくびれていて、左側は寸胴というアンバランスさにコンプレックスがあった。それと体を前に倒すと、左の肩甲骨部分だけ盛り上がっていた。
ただ、どちらも日常的に他人に見せる部分ではなかったし、手術をする程困っているわけでもないから放置していた
しかし大学3年生のある朝、起きたら謎の腰痛
側弯症が関係しているのかもと何となく不安になり、ネットで調べて出てきた新しめの病院にGO。
医者に中学生の頃に側弯症と指摘されたという話をしたら、レントゲン検査やら何やら検査してもらうことになった。
そして写真を見て思わず無言、なんとこんなに背骨が歪んでいたなんて。
どれくらいだったかというと、36度くらいだった(はず)
www.sekitsui.com
上のサイトによると、
弯曲した椎体は椎間板に大きく影響します。側弯が30~40度以下であればそれほど負担はかかりません。ただし、長い目で見ると椎間板への負担はあります。
実際いつからどんな経過を経て曲がってしまったのか、原因は分からなかった。
けれども先生からは「手術しないと死んでしまうとかではないけど、年を取ると骨は固くなる一方で回復するのが大変だからやるなら早めに手術しよう」的なことを言われた。
親とも相談して、社会人になってから手術をするのはあまり現実的じゃないから、学生のうちにやっちゃおうという話になった。
そこからは早かった。
手術の内容
脊椎側弯症の固定術という方法で行った(らしい)
先生に言われたのは、「医療用のチタンで固定して矯正する」
「昔のように中の金属を取り出すような手術を必要としない」
「背中側を切開して手術をする」といったことだった。(この時点でチキンな私は想像して震えていた)
手術が決まってからやったこと
・服用している薬の確認
・輸血のために2・3回病院に通う
・血圧や心臓に異常がないか、検査
正直他にも色々あったはずだけど、思い出せないので終わり
手術前日
・コロナ禍で厳戒態勢だったため、精神的な支えであった親も面会禁止ということで病院の入り口で別れた
・個室だったのでYouTubeとか見て過ごす
・爪切り、シャワー
・手術の内容に関して再度説明
・早めの時間に夕食取って、夜からは水分摂取もダメ
手術当日
・血栓予防のために弾性ストッキング履く
・朝9時くらいに手術室に歩いて向かう
・背中側の切開するってことだったのでうつぶせになって手術台へ
・ビビりすぎて心拍早いね、大丈夫だよと言われながら麻酔打たれる
・起きたら手術終わってて、酸素マスクと点滴をされた状態で病室のベッドにいた
・この日は意識もぼんやりしててよくわからないまま1日が終わっていた
ここから地獄の入院生活(計2週間)
術後2日目
※毎朝9時頃に先生が巡回に来て、傷に異常がないか確認してもらう→状況に応じてリハビリ、という流れ
・吐き気と背中の痛みが酷い(というか術後のCT撮影で吐いた)
・寝返りを打つのに看護師さんの手伝いが必要
・ご飯は気持ち悪くて全然食べられない
・要はほぼ寝たきり
術後3日目
・起き上がれないのでベッドの背もたれを起き上がらせて、ほんの少しご飯食べる
・熱が38~39度くらい出る(自覚は全くない)
・トイレに自分で行けないので排便はおまるスタイル、排尿はドレーン(おまるは精神的にきつかった)
術後4日目
・寝返りが一人で何とか打てる
・立ってトイレまで行ける
・半分くらいご飯食べられるようになる
・熱はまだ下がらない
術後5日目
・一人で自販機まで歩いて行ける
・お米を1杯食べきれるようになる
・しんどいけど座った姿勢でご飯食べられる
・熱下がる
・尿のドレーン取る
・術後初のシャワー(看護師さんにほぼ洗ってもらう感じ)
・手術で今まで使ってこなかった筋肉が使われてるのか、体の左側を下にして寝転がるのが激痛
・背中を固定されている感じが強すぎて、前かがみの姿勢が取れない
術後6日目
・動けるようになってきた分、体の痛みが気になってくる
・左足の股関節が痛い
・術後初めてご飯を完食
術後7日目
・股関節の痛みが増しているような感じ
・リハビリしてほぐすけどそこまで良くならない
術後8日目
・身長が1.4センチ伸びてることが発覚
・もっと重症だと2センチ伸びると先生が言ってた
術後8日目
・コロナで誰にも会えないことがかなりストレスで、痛みのせいでそれがさらにしんどく感じてきた
・思うように動けないせいか、背中にニキビが大量にできる→軟膏塗り始める
・股関節の痛みが変わらないため、MRI撮る
術後9日目
・MRIの結果としては何も異常がないと言われる
・股関節の痛みで10分座っているのがしんどい
術後10日目
・歩行は問題なく、ゆっくり院内を2、3週出来る
股関節の痛みは変わらず
→ここから12日目までほぼ経過変わらず
術後13日目
・背中のニキビは変わらず
・朝の巡回で先生から、術後の経過に問題はないので明日退院することも出来るし、不安なら数日伸ばしてもいいよと言われる
・とにかく生活が孤独すぎたので、退院したいと伝える
退院日
・股関節の痛みで満身創痍になりながらも退院
・家族が迎えに来てくれた車で自宅に帰る
退院して2か月後位までの経過
退院してしばらくは、左側の股関節の痛みに悩まされた
寝起きは特に激痛で、寝ていて固まっているであろう筋肉をほぐすのに1時間費やすこともあった
リハビリも通ったが、それで劇的に良くなることはなかった
術後から約4年経って思うこと、側弯症の手術を検討している人へ
ずっと体が斜めに倒れているような状態で10年弱(推定)過ごしてきて、それをいきなり手術でまっすぐに固定したのだから、筋肉が急激な変化に追いつかなかったのかもしれないなあと素人考えで思う。
術後何も気にしないで普段の生活を送れるようになるまでは、何だかんだで半年以上はかかっていた記憶。
側弯症の手術を検討している人に一番に伝えたいのは、今現在これを書いている人間は背中や股関節の痛みに悩まされず、日常を過ごせているということ。
この手術をした人が必ず私と同じ結果になるとは限らない、でも、私はくびれが術前より確実に均等になった。精神的にもコンプレックスを感じなくなったおかげで姿勢もよくなった。
見た目だけでなく、精神的な面で考えても、20代のうちにこの手術を受けてよかったと思う。
医学知識0の人間が感じた事だから、あくまでも参考にしてもらえれば嬉しいです。