思春期にそれ知ってればなあ

暗黒思春期を過ごした人間のメモ帳的な

起立性調節障害で中学校生活が暗黒だった話

 

タイトル通りの話。

私の中学時代というのは2013年~2015年。今からすでに10年以上の話なので、2024年現在とは学校の理解などは変化しているかもしれないが、当時思っていたことや生活を綴っていきたい。

 

まずは起立性調節障害の説明について

www.saiseikai.or.jp

 

起立性調節障害(OD:Orthostatic Dysregulation)は、思春期前後の小児に多くみられ、起立時にめまい動悸失神などが起きる自律神経の機能失調です。
人の身体は、起立すると重力によって血液が下半身に貯留し、静脈を経て心臓へ戻る血液量が減少し血圧が低下するので、これを防ぐために自律神経系の一つである交感神経が興奮して下半身の血管を収縮させ、心臓へ戻る血液量を増やし、血圧を維持します。しかし、自律神経の機能が低下した結果、このメカニズムが働かず、血圧が低下し脳血流が減少するため多彩な症状が現れます。

 

近年YouTube等のメディアで取り上げられることも増えてきたが、まだまだ理解されていない部分も多いように思う。はたから見ると怠けているようにも受け取られがちなので、その家族や通っている学校からの理解が進んでほしい。

 

 

発症した時期などについて

中1の夏休み前だった。当時はバスケ部に入っていた。

小学校卒業後、違う学区の中学に入学したこともあり、ストレスはたまっていたような気がする。勉強に部活に、必死にやっていた。

放課後の練習に加えて、週末に朝練があったのだが、急に起き上がるのがしんどく感じた。夏バテじゃないかなんて言いながら、親に連絡して休むことにした。

でも次の日も、その次の日も起き上がれなかった。

朝起きて準備をして、学校へ向かうという簡単にできていたことが突然物凄くしんどい事に変わった。夜になってやっと起き上がれるか、という状況だった。

そこからほぼ中学生活のすべてを自宅で過ごすことになった。

 

起立性調節障害と診断されるまで

私は何事にも真面目で、サボって学校を休むようなタイプではなかったので、親が何かがおかしいと感じ、病院に行った。いわゆる普通の小児科だった。

最初は恐らく夏バテじゃないか、点滴をして数日過ごせば治るのではないかという話だった。

でも何かおかしいと子供ながらに感じていた。

学校を休み始めてからずっと、これまで感じた事が無いような、体に全く力が入らないような状態で横になっていたからだ。起き上がると吐き気が止まらなかった。しかもひどい頭痛があり、ご飯もまともに食べられなかった。そして病院に行くために車に乗ると、ものの数分で酔い、車を停めて休憩をしないと気が狂いそうなほど気持ちが悪くなった。

そんな日がしばらく続き、私がベッドに横になっている間、母なりに様々な病気を調べてくれていた。その時に起立性調節障害なのではないか?という考えが浮かんだらしい。

それからというものの様々な病院に行って血圧や心拍の検査、採血などをして、起立性調節障害だろう、という結論に至った。

 

診断されてからの生活

診断されてからは、頭痛薬や漢方など様々な薬を試し、効かないと分かればまた違うものを試し、という繰り返しだった。

起き上がれないから運動も出来ず、そのせいで夜も眠れなくなりあっという間に昼夜逆転の生活になった。食欲もなく、お風呂も週に1・2回母親に支えてもらいながら入るのがやっとだった。体重も激減して、骨のようになっていた。

家に閉じこもりの生活は、ストレスや不安も重なり、自殺を考える時期もあった。

記憶にないことも多いが、頭が痛すぎて叫び出したり、大泣きしたりということも多々あったらしい。

精神的な不安定さから、カウンセリングを受けることもあったが、大して効果は得られなかった。

そんな生活を続けて、気が付けば中3になるという時期になっていた。

 

高校受験に向けて、症状の改善

中学3年間を家で過ごしたせいなのか、高校に通いたいという思いが沸々と湧き始めた。

そのために体力を回復させなければと言うことで、午後から学校に通うことに挑戦し始めた。数週間は学校にたどり着くことも出来ず、家に何とか戻ってくるのがやっとだった。1カ月以上そんな生活を続けて、やっと少しずつ授業に参加できるようになった。

座って勉強をするのも、最初は10分と続かなかった。やっぱり高校に通うのはあきらめた方がいいのか、と泣きながら勉強する事もあった。勉強もほんの数分ではあるが、座って考えられる時間が少しずつ増えていった。

高校受験という目標が出来たことで生活リズムが整ってきたので、それが体調回復に繋がっていったように思う。

長くなるので割愛するが、結果として高校に入学し、そこから何とか遅れてきた学生生活を取り戻すことが出来た。

 

この病気を経験してつらかったこと

正直つらかったことばかりで、楽しかった思い出はほとんど0に等しい。

一部の教師から遅刻してきたり、早退したりすることに対して怠けるなと怒鳴られることがあった。自分は学校に着くことですら必死なのに、周りから見るとサボっているように見られる現実がつらかった。

また、SNSがそこまで発達していなかったとはいえ、同級生が学校生活を楽しそうに過ごしている姿を見るのは精神的に苦しかった。

 

起立性調節障害でつらい思いをしている学生や親御さんへ

本当にしんどい中で生活していると思います。具合の悪さは気合いでどうにかなるものでもないし、必ずしも病院で処方された薬が自分に合うとは限らないです。私が一時期そうだったように死んでしまいたいと思う事もあるかもしれません。でも、どうにか踏み止まってほしいです。踏み止まったおかげで私は何とか高校生活を経験することが出来ました。私は医者じゃないので具体的にいつ元気になるかはわかりません、でも元気になる日はいつか来るはずです。そう信じて過ごしてほしいです、傲慢ですが本気で思っています。

親御さんも自分ではどうすることも出来ない、やり切れない気持ちがあると思います。でも自分を責めないでください。お子さんを見守りつつ、自分の息抜きも忘れないでください。パンクしてしまう前に、自分の好きなことや癒されることを思い出して、時間を作ってやってみてください。難しいとは思いますが、親御さん自身の健康も大切にしてください。

 

 

暗黒の中学時代も、今思い返せば自分を形成する貴重な経験だった、と思える時もある。たまにだけど。

起立性調節障害の認知度が少しでも上がって、怠けてるなんて思われない世の中になりますように。